弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2024年1月13日

あなたの知らない昆虫植物の世界

生物


(霧山昴)
著者 野村 康之 、 出版 化学同人

 食虫植物は日本にも生育しているし、熱帯だけでなく、温帯植物もいる。
 ウツボカズラの捕虫器の中にたまっている液体はほとんど水なので、手が触れても何の問題がない。獲物が入る前なら無菌だから、飲料水として飲める。消化酵素が利く前に、虫たちは窒息死か衰弱死している。
食虫植物はすべて緑色植物であり、光合成している。
食虫植物の捕食器は、ほとんど、葉が変化したもの。
 食虫植物は、世界に11科18属800種以上いる。
 食虫植物の捕食方法において罠はじつに巧妙であり、獲物を逃がさない仕掛けがこらさえれている。食虫植物の多くは、明るく、湿った、貧栄養な土地に生育している。
 食虫性は、決して良いことばかりではない。捕食器は普通の葉にはない欠点がいろいろある。捕食器の光合成効率は悪い、風雨や他の生物によって破壊される危険も大きい。
 日本で多くの食虫植物の姿が消えている原因は、水質の悪化や流入水の減少にある。
 食虫植物は、獲物から窒素、リンあるいは炭素を得ることで、大きな利益を受けている。
 食虫植物のことを楽しく学ぶことが出来ました。わが家の庭に以前に咲いていた時計草(トケイソウ)も食虫植物の仲間のようで、驚きました。
(2023年6月刊。2420円)

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