弁護士会の読書
※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。
2023年7月29日
チョウの翅はなぜ美しいか
生物
(霧山昴)
著者 今福 道夫 、 出版 化学同人
チョウのはね(翅)は翅(し)と読みます。キラキラと輝いていますよね、美の極致です。
いま、我が家の庭の一隅にはフジバカマを植えています。日本列島を縦断するというアサギマダラを待ち構えるためです。昨年の秋は来てくれませんでしたから、フジバカマの種類も増やしました。今年は、ぜひ来てほしいです。
この本を読んで驚嘆するのは、チョウのオスがどんなメスを好むのか、逆もしかりで、メスの好むオスの色を探るため、たとえばチョウに糸を付けてオトリをつくるという実験をしていることです。それだけではなく、チョウがあちこちふらふらするように円盤をモーターで動かす工夫もしています。すごく細かい工夫です。
アサギマダラには、チョウの個体識別のために、チョウの体にカラーマーカーで文字を書き込むとのことです(それでもアサギマダラは十分な飛しょう能力を損ないません)。
緑の翅をもつ種の多くは紫外線も反射する。だから、人間には緑に見えても、チョウには違った色に見えているはず。
チョウの翅の色には2通りある。その一は色素により、その二は構造色。鱗粉の微細構造による。このときは、見る角度によって異なる色が見える。構造色では、外からの光を薄い膜や細かい溝のような構造で位相の異なる光に変え、それらが強めあったり、弱めあったりする干渉作用によって、特定の波長の光を作り出している。
ミツバチには色覚がある。というのも、実験すると96%のミツバチが黄色に集まったから。
昆虫には赤が見えない。赤と黒を同じものと見ている。
昆虫は紫外線にもっとも敏感。なので、「誘蛾灯」は紫外線を強く発散するように出来ている。
チョウにも色覚がある。チョウはオスだけでなく、メスも意外と積極的にオスにアタックする。メスは「誘い飛行」する。メスは、よく動くオスに強く惹かれる。
チョウを対象として、フィールドワークという野外実験するときの苦労が少しばかり伝わってきました。同じところに何時間もとどまってチョウを観察するという苦労も分かりました。学者って、本当に大変な仕事ですね。
(2023年3月刊。1870円)
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