弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2022年12月26日

「死んだふり」で生きのびる

生物


(霧山昴)
著者 宮竹 貴久 、 出版 岩波科学ライブラリー

 人間が最前線の戦場で死んだふりして助かったという体験記を読んだことがあります。同じことを昆虫など、いろんな生物がしていること、その意味を探求している学者の本です。
「死んだふり」について研究している学者は世界中探しても20人ほど、だそうです。まあ、きっとそうでしょうね...。
 いったい生物の「死んだふり」なんか研究して、何の役に立つのか...。そんな疑問を持つ人に対しては、実は、パーキンソン病の治療に役立つかもしれないと書いてあります。また、果樹の外注防除にも役立つようです。樹木に振動を与えると、害虫が死んだふりをするので、樹木にしがみついていた害虫が落下するというのです。
 死んだふりをする個体にとって、死んだふりが本当に役に立っているのかどうか、統計的に十分な検証でもって定量的に示した研究はなかった。そこに目をつけた学者って、ホント偉いですよね...。
 「腹が減っては死にまねはできない」。これは観察するなかで明らかになった事実です。死に直面している昆虫は、悠長に死んだふりなんてする余裕はない。死んだふりをする生物は、そのことによって生命が助かる確率は高まる。ところが、じっとしているとメスとの出会いがないという二律背反が存在している。
 そして、長く死んだふりを続ける個体はストレスに弱い。
死んだふりをする生物は多い。オポッサムもそう。ニワトリだって死んだふりをする。二ホンアマガエルやサメもする。
 いやあ、すごいです。ダルマさんが転んだ、の世界があるのです。死んだふりではない、フリーズをする種もいるそうです。
 一見すると、なんてバカバカしい研究だと思えても、実は偉大な発見だったこともあります。好奇心をもった学者には、今も憧れがあります。
(2022年9月刊。税込1430円)
 11月に受験した仏検(フランス語検定試験、準1級)の結果を知らせるハガキが届きました。恐る恐るめくってみると、「合格」の文字が目に飛び込んできました。ヤッター、良かったー、と思いました(昨年は不合格だったのです)。合格最低点が62点のところ、66点とって合格することができました。ところが、実は私の自己採点では71点だったのです(120点満点)。いつもは6割が合格点(72点)になります)なのですが、今回は5割が合格点になっていますので、いつもより少し難易度が高かったということです。
 1月末に口頭試問を受けます。3分間スピーチです。難関です。話す訓練に励むことにします。年末年始の課題になりました。ボケ防止のつもりでがんばります。

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