弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2021年12月11日

富岳、世界4冠、スパコンが日本を救う

社会


(霧山昴)
著者 日経クロステック 、 出版 日経BP

日本の誇るスーパーコンピューター富岳が2020年に世界一になった。しかも、4つのランキングすべてで世界一。しかも、圧倒的な一位。
スパコンの核となるプロセッサを開発する技術をもっている国は、アメリカと日本そして中国の3ヶ国のみ。ところが、このスパコン富岳で数億年かかる計算をわずか数分で解いてしまうのが量子コンピューター。
ここまでくると、何のこっちゃら、とんと理解不能な、雲の彼方の話になってしまいます。
コンピューターには、まるで縁のない生活をしている私ですが、なんか分かるところはないかと思って読みすすめました。
富岳というのは富士山の異名。高性能であって省電力。そして高い信頼性と使いやすさ。スパコン開発では常にトップグループにいなければダメ。2番手グループは、トップグループの誰かの背中を見てまねる。比較的簡単なこと。だけど、まねなので、技術はすべてトップグループのもの。それでは、波及効果は期待できない。自分たちの技術ではないから。これには、なるほど、なーるほど、と思いました。
以前のスパコン京は、売れなかった。これは失敗だった。うむうむ、そうですよね...。
世界最速(2019年)のスパコンの米IBMのスミットを使って1万年かかる計算をわずか200秒で解いたのが量子コンピューター。
量子は波のような存在で、0か1か、単純には決められない。それどころか、同時に両方でありうる。これを「量子重ね合わせ」という。量子コンピューターで計算が劇的に速くなるのは、この「量子重ね合わせ」の原理による。
まったくの門外漢である私がスパコン紹介の本を紹介してみました。
(2021年3月刊。税込1980円)

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