弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年11月24日

おどろきダンゴムシ図鑑

生物


(霧山昴)
著者 奥山 風太郎 、 出版 幻冬舎

わが家にもダンゴ虫はたくさんいます。犬走りのあたり、また、小石を取りあげると、もぞもぞとうごめいています。孫たちは喜んで、ダンゴ虫を手のひらに乗せて、じっと眺めます。
ダンゴ虫は小さい子どもたちに大人気です。決して踏みつぶして殺そうとはしません。あくまでも可愛い仲間なのです。
この本は、いえ、この図鑑は世界のダンゴムシ(虫)のオンパレードなんです。うひゃあ、こ、こんなにいろんな形のダンゴムシがいるんだ...、おどろきました。
ダンゴムシは世界に1350種ばかり。甲殻類のなかのワラジムシ亜目(3700種いる)に属する。
著者は、ダンゴムシを自宅で飼育中とのこと。南西諸島の種を中心として200以上の地域のダンゴムシを、5万か10万か、20万か...。数えきれないほど...。うひゃあ、これはたまりませんね。いくら可愛いといっても、20万もいたら...、ぞぞっとしてきます。
でも、ダンゴムシの飼育は楽しいし、そんなに難しくはないとのこと。
ある程度の湿度を保つことが可能な湿らせた落ち葉や腐葉土を敷けば、どんな容器でも飼育できる。乾燥させないこと、落ち葉や隠れ家をつくることができればいい。餌はニンジンのかけらでいい。
ダンゴムシは、常に穏やかで平和に暮らしている。その様子を眺めていると、日頃のストレスなんて吹っ飛んでいってしまう。
ダンゴムシの一生は意外に長く、飼育下では3年も生きる。
ダンゴムシのほとんどは、社会性のある集団生活を送ることはなく、1ヶ所にたくさんいても、それは結果として集まっているだけで、単独行動を好む。
世界最大のダンゴムシは体長2センチもあり、イタリアに多く、フランスにも少しいる。
ダンゴムシは雑食性で、カルシウム含有量の多い落ち葉ほど、よく食べる。
わが家で見かけるのは、黒光りのするオカダンゴムシ。なんと日本には明治時代に入ってきた外来種だといいます。もとは、地中海が原産地なのです。
いかにも愛くるしい、丸まった姿のダンゴムシは、防禦こそ生きのびるための最大の保障と考えています。いやはや、いったい誰が、そんなことを考えついたのでしょうか...。
ダンゴムシのカラー写真を眺めているだけで、ついつい楽しくなるダンゴムシの図鑑でした。
(2020年6月刊。1300円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー