弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年5月 7日

僕たちは育児のモヤモヤをもっと語っていいと思う

人間


(霧山昴)
著者 常見 陽平 、 出版 自由国民社

43歳にして父となり、今は2歳児の子育てに専念してはいない、専業主夫業です。
朝5時に起きて、娘が起きてくる7時までの2時間だけが唯一、自分の自由になる時間。
まず風呂に入って、防水仕様のスマホで朝刊を確認する。紙ではないのですね。
朝7時になると、家族の朝ごはんをつくる。
朝7時から9時までの2時間は、妻と娘のために使う。
自分の思いどおりになる時間はほとんどなくなった。
子どもは大人の思いどおりには動いてくれないもの。
イクメンという言葉は嫌いだ。イクメンと呼ばれるのには強い抵抗がある。
子どもは、会社や社会全体で、助けあい補いあいながら育てていくべきもの。
今しか見ることのできない世界を見に行くというスタンスで、子育ての時間を楽しむようにしている。家事は仕事、労働だ。家事・育児・介護は「いのち」がかかっているので、サボることができない。
著者は1日7時間睡眠を死守しているとのこと。私も以前はそうでしたが、今は1日6時間です。ただし、昼か夕方に20分ほど横になるよう努めています。やはり40代、50代と同じようにはいきません。
大事なことは、優先順位とクオリティ。
朝、娘が熱を出すと、著者と妻の一日の仕事のスケジュールが一変してしまう。子育て中は、娘のご機嫌など、そもそも不確定な要素が多く、いつも追われているような生活になる。
子育ては、模索の毎日。子育ては現実。子育てしていると、知らないことばかりなのを自覚し、猛反省させられた。
本当にそのとおりです。弁護士生活46年になっても、世の中、知らないことばかりなのです。
男性にとっての子育ての大変さと楽しさがよく伝わってくる本でした。私も5歳と2歳の孫が半ば同居していますので、彼らを見ていると、なるほど、人間ってこういうものなのかと教えられます。
(2019年8月刊。1200円+税)

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