弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2019年1月14日

人間

才能の正体
(霧山昴)
著者 坪田 信貴 、 出版  幻冬舎

私は、つくづく語学の才能がないと痛感します。毎日毎朝、フランス語の書き取りをして、毎週土曜日にフランス人と話して、年に2回は仏検(テスト)を受けて、いまもってペラペラ話せるにはほど遠いありさまです。我ながら、嫌になってしまいます。
この本は、才能の正体を探っています。
才能がある人とは、結果を出せる人。結果は、どういう人が出せるのか・・・。それは洞察力がある人だ。洞察力とは、物事を深く鋭く観察し、その本質や奥底にあるものを見抜くことであり、観察しただけでは見えないものを直感的に見抜いて判断する能力のこと。
子どもが夢を語って努力をはじめようとしたとき、親は、「そんなの無理だ」、「できるわけがない」と否定せず、信念をもって守る。愛情を与える。そして、子どもの言葉を信じて、温かく見守る。
自分を出せなくなると、能力は伸びない。
ほめられると、子どもはもっとがんばろうと思うものだ。
万人にとって効率のいい勉強法なんて存在しない。
能力を高めるには、とにかくその子にあったやり方で、コツコツと続けていくしかない。
大学受験に才能なんか関係ない。大学受験までの学問は、しょせん答えがある問題集にすぎない。その解き方のパターンを覚えさえすれば、必ずできるようになる。
人の脳は、接触回数を増やせば、記憶に定着しやすくなり、仲間だと思いやすくなる。
才能は気分が9割。才能はあると信じること。才能は素晴らしいものだと信じること。そうすれば、世界の見え方が変わってくる。
私たちの世界を、この先もっとすばらしいものにしてくれるのが、才能だ。
坪田塾の塾長として、1300人以上の子どもを「個別指導」してきた実績のある人ですから、説得力があります。私にも語学の才能はある、そう信じて、明日からもがんばって続けることにしましょう。
(2018年10月刊。1500円+税)

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