弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2018年9月29日

読んでも忘れる人のための読書術

人間

(霧山昴)
著者 印南 敦史 、 出版  星海社新書

正しいタイトルは、読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術、です。
私は、この20年間、年間に読む単行本は500冊です。ところが、書評家でもある著者は年間700冊よんでいます。実は、私も、弁護士会の要職にあったときは旅行の連続でしたから700冊以上を読んだことがあります。でも、さすがにそれは疲れます。50代の初めでしたから出来たことです。フツーに生活して年に500冊のペースを維持しているのが、今ではぴったりの生活リズムになっています。
もちろん、たくさんの本を読むのは楽しいからです。義務感とかノルマではありません。今度、あの本が車中、機中で読めるなと思うと、楽しく、待ち遠しくなります。そして、本屋で前に読んだ本を見つけると、ああ、この本って面白かったよね、そんな思い出がよみがえってくるのも楽しいひとときです。
私が、このコーナーで紹介しているのは、1年間一日一冊なので、要するに読んだ本の7割ほどを紹介していることになります。そして、このコーナーにアップすることで、私は安心して忘れることができます。
読書習慣が身につくと、本を読むこと自体が楽しい。1冊よみ終えると、ちょっとした達成感が得られる。
読書の義務感から解放される必要がある。読書は、つらい勉強でも修行でもない。自分にとって心地よく、そして楽しい読み方をすべき。
大切なのは、その本を読んだことによって、自分の内部に何か残ったか、ということ。結果として残ったものは記憶のひだに刻まれ、自分の新たな価値観を形成する。
要は、自分にとって有意義なことだけを吸収できれば、いいやと考えるのだ。それだけのこと。大切なポイントは二つ。一つは、忘れる自分を肯定すること。二つは、次に進むこと。
読書は楽しい。すべての仕事の憂さを忘れさせてくれる。そして夢幻境へと導いてくれる。何かを創造しようという気にさせてくれる。もう少し、元気で何かをやってみようという気にさせてくれる。
それが読書なんです。どうですか、ご一緒に・・・。
(2018年5月刊。960円+税)

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