弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2017年7月10日

スタンフォード式・最高の睡眠

人間

(霧山昴)
著者 西野 精治 、 出版 サンマーク出版

スタンフォード大学の医学部教授であり、睡眠生体リズム研究所所長である著者による初めての日本語著書です。
睡眠は本当に大切ですよね。私は、朝おきたときに空腹感があるのが健康のしるしだと考えてきましたが、本書に同じことが書かれていて、うれしくなりました。
朝、起きたら、おなかがすいている。これは、質の良い睡眠がとれているかどうかのバロメーターだ。
一流のアスリートは、真剣に睡眠と向きあう。眠りの力を認識し、力を入れて取り組んだ選手だけが一流になれる。
睡眠の質は、眠り初めの90分で決まる。最初の90分さえ質が良ければ、残りの睡眠も比例して良質になる。最初の90分間のノンレム睡眠は、睡眠全体のもっとも深い眠りである。ここで深く眠れたら、その後の睡眠リズムも整うし、自律神経やホルモンの働きも良くなり、翌日のパフォーマンスが上がる。
週末の寝だめでは、睡眠負債は解決しない。そもそも眠りは、ためられない。普通の人は、最低でも6時間以上眠ること、これがベスト。
レム睡眠は、ストーリーがあって実体験に近い夢をみる。ノンレム睡眠は抽象的で辻つまのあわない夢になることが多い。
最初の眠気のタイミングは絶対に逃してはいけない。眠くなったら、とにかく寝てしまう。そうしないと、そのあと深い眠りはやって来ず、いくら長く寝ても、いい睡眠とはならない。
質の良い眠りには、ノンレム睡眠だけではなく、レム睡眠も欠かせない。
質の良い眠りなら、体温が下がる。体温の低下が睡眠には欠かせない。脳が興奮していると、体温も下がりにくい。
睡眠中は、温度を下げて臓器や筋肉、脳を休ませ、覚醒時には温度を上げて体の活動を維持する。健康な人だと、入眠前には手足が温かくなる。皮膚温度が上がって熱を放散し、深部温度を下げている。
いつものベッドで、いつもどおりの時間に、いつもどおりのパジャマを着て、いつもどおりの照明と室温で寝る。音楽を聴くなら、いつも同じ単調な曲。考えないままスイッチオフで眠る。眠れなかったら、ベッドから離れる。
良質の睡眠の意義と、その確保の仕方がとても具体的かつ実践的で、大変参考になります。
(2017年5月刊。1500円+税)

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