弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年12月 3日

世界をたべよう!旅ごはん

社会

(霧山昴)
著者 杉浦 さやか 、 出版 祥伝社

眺めているだけでも楽しい、旅ごはんの本です。なにしろ世界24ヶ国、そして日本国内も21軒のレストランやら屋台を素敵なカラー・イラストで紹介していますから、ついついよだれがこぼれそうになってしまいます。
著者はいったい何を職業としているんだろうかと、やっかみ半分で頁をめくっていきます。最後の著者紹介にイラストレーターとあります。なるほど絵がうまいはずです。それにしても、旅行して美味しいものを食べて、それを絵に描いて本にして、本が売れたら収入となるなんて、なんてうらやましいことでしょう。まさしく趣味と実益が一致しています。
ベトナムでは若い女性二人だけで、100%男性客しかいないビアホイに入った。ビアホイとは、工場直送のポリ容器入りの生ビールのこと。そして、そのビアホイを飲める店のこと。ビアホイは、東南アジア特有のかなりの薄味。冷え方はあまく、ジョッキに氷を入れて飲む。薄いビールがさらに薄まるけれど、これがクセになる美味しさ。この薄々ビールと絶妙なおふくろの味、そして、ベトナムおやじたちの優しいまなざしに迎えられて、最高の旅の思い出となった。
インドネシアのバリでは、昼食にバイキング方式みたいに好きなものをたくさん食べ、ついに夕食は抜かしてしまった。これも若さからの失敗ですね。今の私は、なんでも腹六分目をモットーとして、少しずついただくようにしています。
ハンガリーではグヤーシュを食べたとのこと。昔、私の行きつけのプチ・レストランにハンガリアン・グラッシュという名前の料理があり、大好物でした。たっぷりの野菜と牛肉を粉末のパプリカで煮込んだシチューです。その店は今はもうありませんが、ぜひまた食べたいです。
フランスでは、ノルマンディのカキを食べて、なんとあたってしまったとのこと。お気の毒です。10年以上も前にパリのカルチェラタンで泊まったプチ・ホテルの近くに生カキを食べさせてくれる店があり、一家5人で美味しく食べたことを思い出しました。このプチ・ホテルで食べたフランスパン(バゲット)の塩加減の素晴らしさは、今でも家族全員のいい思い出です。
著者はラム(羊肉)がダメだとのこと。可哀想ですね。でも、ノルウェーのラム肉は臭くなくて、柔らかくて、初めて完食したそうです。おめでとうございます。
いかにも若い女性の手になる可愛いらしいイラストが満載です。ぜひ手にとって眺めて楽しんでください。
(2016年11月刊。1400円+税)

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