弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年4月16日

鳥たちの博物誌

生物(鳥)

(霧山昴)
著者  デイヴィド・ターナー 、 出版  悠書館

わが家の庭に来る鳥は、一番にヒヨドリです。我が物顔でやって来ます。それでも、スモークツリーの木に巣をつくっていて(気がつきませんでした)、蛇にヒヨドリのヒナたち(2羽)が食べられてしまったのは痛恨の極みでした。冬はビョウビタキ、春はウグイス、そしてメジロです。ほかにも、名前の分らない小鳥が何種類もやって来ます。カササギはたまに来ますし、生ゴミあさりのカラスはしぶとい敵になります。カササギはビックリグミの木の頂上付近に巣をつくっただけでした。
渡り鳥のなかで、もっとも長い距離を飛んでいるのがキョクアジサシ。イギリスの夏のあいだにグリーンランドで繁殖し、南極大陸付近でイギリスの冬を過ごす。20年も生きるとしたら、生涯に80万キロを飛ぶことになる。どうして、こんな長距離の「渡り」をするのか。それは、一年に夏を2度も過ごせるということ。
北アメリカに住むスグロアメリカムシクイは、夏の終わりに強力な貿易風を利用して、わずか4日間で南アメリカに到着する。
島の糞から成るグアノは、数千年にわたって厚さ90メートルもの層を築きあげた。
アホウドリは、最適のエサ場を求めて、ある方向に平気で1600キロも行き、また1600キロも戻ってくる。
海鳥は長生きする。これまでに記録された野鳥のなかで、もっとも長生きだったのはシロアホウドリで、58歳だった。その年でも、まだ産卵していた。
ハヤブサには、空ばかりではなく陸上でも、水中でも、かなう生物はいない。急降下するときには、時速108キロを出した記録がある。ハヤブサが減少したのは、農薬のせいだろう。
鳥は歌います。上手です。わが家に毎年やってくるウグイスは、2月初めころは、いかにも下手です。ところが、3月初めのころになると、姿こそ見えませんが、堂々と歌っています。
ウタツグミは、何でも2回を大声で歌うという奇妙な習性がある。
尻尾をチョンチョンと振りながら人間に近づいてくるジョウビタキの愛らしさは最高です。
年をとった鳥ほど、若い鳥より歌がうまい。幼鳥は、1ヶ月で1とおりの鳴き声を覚える。そして、鳥類の歌にも、方言がある。
小鳥のことを、さらに少しだけ認識することができました。
(2016年4月刊。2000円+税)

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