弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年4月14日

おれのウチャシクマ

日本史(戦後)

(霧山昴)
著者  小川隆吉(瀧澤 正) 、 出版  寿郎社

私は沖縄に別の民族がいるとは考えていませんので、沖縄独立論には賛同できません。しかし、北海道に、アイヌ民族がいたことは歴史的事実だと考えています。ただし、その独立論は聞いたことがありませんし、ありえないと思います。
この本は、アイヌ民族と朝鮮人の両方の血を引いている著者の聞き語りをもとにしています。父は朝鮮人、母はアイヌ人だったのです。なぜ父親が日本に来たのか、それも北海道までやって来たのか・・・。
アイヌ人の母親は45歳のときに著者を産み、54歳で事故死した。
昭和55年(1980年)、札幌の小学校で、教頭が父母たちに次のように話した。学校が子どもにとって大切なことを強調する文脈のなかのことです・・・。
「もし教育をしなければ、アイヌのようになってしまう」
これは、いかんでしょう。あからさまな差別です。
次に、予備校の河合塾が、「アイヌは、もはや存在しない」とテキストに書いていることが発覚した。1984年(昭和59年)ころのこと。
問題になった、河合塾の人間が3人も飛行機でやって来て謝罪した。
著者たちは、旧大人保護法の廃止を前提として親しい法律をつくろうと運動していた。しかし、それは間違いだったと断言しています。旧法と一緒に、共有財産まで持っていかれて、文化一本槍になってしまった。
北海道に生まれ育ったアイヌ民族といっても、今では日本語を話すしかありません。どうやら細々とアイヌ語は伝承されているようです。大変な苦労がいることだと思います。
波乱万丈のアイヌ人男性の半生がよく追求され、紹介されています。
やっぱり、こういう生きた歴史を若い人に伝えたいものですね・・・。

(2015年10月刊。2000円+税)

 火曜日の夜、事務所内で恒例の花見会をしました。所員と依頼者や元依頼者の人たちをふくめて30人ほど集まり、美味しく食事をいただきました。タケノコの味噌煮が季節感あふれて、とても美味でした。桜の花はとっくに散っていましたので、机の上には元依頼者の方が持参された百合の花を飾り、楽しく歓談しました。
 今回の花見会の目玉は手品ショーです。あちこちでボランティアでしているという男性に演じていただきました。手品のマジックも見事でしたが、話術のほうも惹きつけるものがあり、30分間、笑いころげてお腹の皮がよじれてしまいました。マジシャンからも今日は受けがいいと喜んでもらえ、またお願いしたいね、ということになりました。

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