弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2016年2月 8日

身近な鳥の生活図鑑

生き物(小鳥)

(霧山昴)
著者  三上 修 、 出版  ちくま新書

 わが家からスズメがいなくなりました。10年くらい前までは家の2ヶ所スズメの巣がありました。トイレに入ると、子スズメたちのにぎやかな声が聞こえてきたものです。親スズメは巣に入るときは、そっとして音を立てません。今でも、古くて固くなったパンくずを庭にまくのですが、何日もそのままなのが残念です。
 毎年やって来るジョウビタキが今年は、なぜかほとんど姿を見せてくれません。愛嬌ある仕草で、大好きな小鳥が来てくれないので庭仕事が物足りません。
 相変わらず多いのがヒヨドリです。ヒヨドリ夫婦がいつのまにか庭のスモークツリーに巣をつくっていて、ヘビに狙われてヒナが食べられてしまったことは、このコーナーで報告しました。ヒヨドリ自体は毎日うるさいくらいに鳴きかわしてやって来ます。
 この本は、スズメ、ハト、カラス、ツバメなど、身近な鳥の生活習慣を教えてくれます。
 スズメは、オスもメスも同じ色をしているので、観察しているだけで見分けるのは不可能。スズメの足の指は4本。前に3本、うしろの1本。スズメが巣をつかうのは1ヶ月ほど。子育てのため。スズメは同じ巣を何度もつかう。スズメは、合計4~6卵を産み、全部うんでから卵を温めはじめる。そして2週間ほどで孵化する。
 スズメは雑食だが、ヒナに与えるのは昆虫が多い。親鳥による子スズメへの世話は、巣立ちして10日間ほど。
 子スズメは秋になると一部は長距離を移動する。なかには数百キロ先まで移動する。
巣立った子スズメのうち半数以上は、その冬を越せない。しかし、6年以上も生きたスズメがいる。スズメが群れている時に鳴きかわしているのは、個体同士で意思疎通をしているということ(ではないか・・・)。
 スズメの数は1990年に比べて、半減している。日本にスズメは1800万羽いる(だろう)。
 減ったのは、スズメが巣をつくれる場所が減ったから・・・。そして、エサをとれる緑地が減っていることから。
 スズメを飼ってみると、スズメは人を見分けていることが分る。
ハトはミルクで子育てをしている。ハトの食道でミルク(ピジョンミルク)を作り出す。オスもこのミルクを出せる。
 鳥はおしっこはしない。糞と一緒に、水の必要のない形で排出する。
 鳥は一般に、あまり水を飲まない。飛ぶために身体を軽くする必要があるから。
 ハシボソカラスは繊細なカラスなので、開けた場所を好む。ハシフトカラスは神経が図太く、高いところから見下ろしてエサをとる。ボソとフトでは、体重差が1.5倍もある。地上を歩いているカラスはハシボソカラス。フトは、ぴょんぴょん跳ねて移動することが多い。
 わが家には、メジロもよくやって来ます。
ヒヨドリが10羽ほど一度にやって来て、収穫間近のほうれん草をたちまち食べ尽くしてしまったこともあります。
 身近な小鳥をもっと知りたいと思っている人に一読をおすすめします。

          (2015年12月刊。940円+税)

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