弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2015年3月10日

プーチンはアジアをめざす

日本史(戦前)


著者  下斗米 伸夫 、 出版  NHK出版新書

 ロシアのプーチン大統領も目が離せない人物ですね。そのプーチンの祖父がレーニンコックだったというのは、初めて知りました。
プーチンの祖父、レニムグラードのマストリア・ホテルでコックをつとめたあと、晩年のレーニン家のコックに選ばれた。プーチンの祖父は、古儀式派だった。これは、ロシア正教会以前の古い信仰を保つ正教一派(異端的潮流)である。
 ロシア正教会では、三位一体論にもとづき、三本指で十字を切る。これに対して、古儀式派は二本指(人と神をあらわす)で十字を切る。同じ古儀式派出身の政治家として、エリツィン大統領の祖父、グロレイコ外相の一族、モロトフ外相の一族などがいる。ちなみに、日本にも100年前に北海道・函館に古儀式派が集団で移住してきたが、今はいない。
 ウクライナは、ソ連の崩壊後に誕生した人口4500万人の国。ロシアに次ぐ、スラブの大国。
 ウクライナとは、本来、「隅」とか「辺境」を指す普通名詞である。ただし、これはモスクワからみた「隅」ではなく、ポーランドの「辺境」を意味してきた。
国連は1945年に設立されたとき、ウクライナは51の原加盟国の一つで、憲章に署名した国でもある。さらに、ウクライナは2度にわたって国連安保理の非常任理事国だった。つまり、ウクライナは、ソ連の構成国でありながら、同時に国連では独立国でもあるという、「半主権国家」とでもいうべき立場だった。
 アメリカがロシアに対して強気に出られるのは、アメリカにとってロシアとの関係がそれほど重要ではなくなったから。とりわけシェールガス革命のあと、アメリカの天然ガス開発がすすみ、エネルギー大国のロシアを気にする必要はさらに薄まった。
プーチンが「強いロシアの復活」と言うとき、それは、ロシアがもはや超大国ではなく、むしろ崩壊の可能性すら秘めている国だという認識もある。安全保障上も、対外脅威というより、チェチェン問題や、人口減少といった国内問題に重点を置いている。
 プーチン政治のポイントの一つは、富裕なオリガルフを政治の世界から排除したこと。プーチンはオリガルフを国外へ追放した。
 現在、ロシアの国富の71%は、トップの1%が所有する。ちなみに、アメリカは37%、中国は32%。
 1億ドル以上所有する資産家は、アメリカ4754人、中国983人、ロシア536人。
プーチン大統領は、ロシアの生き残り戦略としてアジアを重視しているというのです。なるほど、と思いました。
(2014年12月刊。740円+税)
 日曜日は、春うららかな陽気の下でジャガイモを植えました。実は、1月に植えた種ジャガイモから芽が出てこないので、失敗したと思って植え替えようとしたのです。1月は早過ぎると、いろんな人から言われ、あきらめたのでした。それでクワを入れてみると、なんと、これから芽が出ようとしているのです。あわてて、元通りにしました。そこで、新しく別の畝をつくって、ジャガイモを植え込みました。キタアカリとダンシャクです。
 今日はジョウビタキがやって来ないな、もう北国へ帰っていったのかなと思っていると、ジョウビタキがやって来てくれました。近くでよく聞いてみると、小さなさえずり音をたしかに発しています。本当に可愛いらしい小鳥です。
 庭のあちこちに黄水仙が咲いています。チューリップの花のつぼみも2本だけ見つけました。もう少しでチューリップ祭りが全開となります。

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