弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2015年2月15日

弁護士ドットコム

司法


著者  元榮 太一郎 、 出版  日系BP社

 今や日の出の勢いとも言うべき弁護士ドットコムについて、創業者である弁護士が苦労話を語った本です。
月間の訪問者は660万人。登録する弁護士は7000人、これは日本の弁護士の5人に1人にあたる。サイトに寄せられる法律相談や問い合わせは月に1万500件。
モバイル有料会員は、毎月、純増1000人というペースで増え、1年で1万人を突破した。2014年には4万人をこえた。
 登録する弁護士は、2010年6月に200人、2011年6月に3000人、2012年4月に4000人をこえた。FAXのほか電話によるアプローチをはじめると、2013年5月に6000人、2014年8月に7000人となった。
 弁護士向けの有料サービスを2013年8月にスタートした。有料会員はサービス内容によって、月2万円、3万円、5万円のプランがある。有料会員は、1年しないうちに900人をこえた。
 2014年に入ってから、赤字が長く続いた弁護士ドットコムは、採算がとれるようになった。月商ベースで前年同月比2倍の売上高となった。
 弁護士ドットコムを運営する主体となっている法律事務所は、今や弁護士28人、事務所スタッフをふくめると120人という大所帯である。
 2014年12月、弁護士ドットコムは東京証券取引所マザーズ市場に上場した。
 著者は1975年生まれなので、現在40歳(まだかな?)。弁護士になってから3年間は、東京の四大事務所の一つ、アンダーソン・毛利法律事務所に在籍した。
 しかし、退職してベンチャー企業を目ざしたのです。やはり、若さですね。
 私の法律事務所でも、一人だけ弁護士ドットコムに加入しています。それなりの反応はあるようです。
 社会がインターネットを活用している社会環境のなかで、いち早くそれを弁護士業界に生かした点で、著者には先見の明があったというべきなのでしょうね。といっても、私自身はネットを依然として見るだけなのです・・・。
(2015年1月刊。1400円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー