弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年6月 2日

ペンギン

生き物


著者  藤原 幸一 、 出版  講談社

 私は、ペンギンも大好きです。
 ええっ、ペンギンって鳥だったの、しかも大空を飛んでいたの・・・、と思ってしまいました。
 海の中をすいすいと気持ちよさそうに泳ぎ、陸の上で子育てするペンギンを、いつのまにか人間と同じ哺乳類だと勘違いしていたのでした。
 1億年前、ペンギンの祖先は大空を飛ぶ鳥だった。そして7000万年前に、ペンギンの祖先は空を飛ぶのをやめてしまった。空中より水中により長くいて、大好物の魚をとれるように進化したのだ。
 地球にすむペンギン19種のうち、南極を繁殖地とするペンギンは5種類だけ。赤道直下や、人間と共生して街に住む種もいる。森の中にすむペンギンもいる。ただし、北半球には人間が連れてきたもの以外には、いない。
夏はペンギンにとって衣替えの季節。羽毛が抜けかわる。その換羽のあいだは海に入れないので、ペンギンは絶食状態となって、体重も半減してしまう。ええーっ、そうなんですか。犬のようにはいかないのですね。
 ペンギンのオスとメスを見分けるのは、至難の業だ。混ざっていたら、判別不可能。つがいがそろって並んで初めて、オスとメスを判別できる。メスがオスよりひとまわり小さい。
 メスは主としてオキアミを食べ、オスは魚を多く食べる。
 メスは繁殖地から200キロ以上、オスは160キロもの旅をする。
 集団で一糸乱れぬ行動をするペンギンは、捕食者であるアザラシに襲われにくい。
アデリーペンギンにとって巣作りの材料となる小石は、マネー(貨幣)のような価値をもっている。
 小石のほしいメスは、独身オスに売春まがいの行為をして小石を手に入れる。連れあいのオスは、メスが小石を手に入れて帰ってくると大歓迎する。
 見ていて楽しくなるペンギンの写真がどっさりの写真集です。写真を撮る苦労は大変なものがあったことだと思います。ありがとうございました。
(2013年12月刊。2800円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー