弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年5月 1日

秘密保護法は、すぐ廃止へ!

社会


著者  仁比 聡平 、 出版  日本機関誌出版センター

 昨年(2013年)12月、特定秘密保護法が自民・公明両党による強行採決で成立してしまいました。このとき、最後まで反対してがんばった福岡選出の仁比聡平議員(弁護士)の奮闘ぶりがブックレットになりました。早速よんでみましたので、報告します。
 憤りのあまり、血管が切れそうだ。これは、単なるたとえ話ではなく、実体験になった・・・。
 夜の11時前に法案が強行採決され、その他の採決もあって、国会は土曜日の午前1時ころまで続いた。
 そんな深夜国会なんて、本当に異常ですよね。これは、法案が異常だから、そんな異例の時間になるのです。でも、マスコミは、ことの本質をよくよく国民に伝えてくれません。民放はもちろん、NHKにだって権力べったりなので、何が問題なのか、明確には伝えてくれなかったのでした。
 仁比議員は、参議院の本会議で堂々たる反対討論をぶちあげました。民主党議員は、いったん退場し、再び議場に戻ってきたのです。
国民の、この法案への強い怒りは無責任は棄権を許さなかった。
 仁比議員は、あとで両手の親指の付け根が黒ずんで青染み担っているのに気がついた。怒りのあまり、自民党議員(理事)の席をバーンと叩いて出来たものだった。
 秘密というのは、権力を握っているほうが指定すれば、何でも秘密になるし、捜査機関が必要と思えば、逮捕・勾留することになる。捜索・差押、そして密室での取調べへとすすんでいく。
 さらに、この処罰の対象には、国会議員もふくまれている。三権分立とか、国権の最高機関たる国会とは、とても言えなくなる事態が生まれる。
 元気いっぱいの弁護士であり、参議院議員である仁比聡平氏には、これからも国政の舞台で大いに活躍してほしいと思います。
 それにしても、すばやく70頁ほどのブックレットに仕立て上げたのは見事です。引き続き広報活動にも力を入れてください。
(2014年3月刊。476円+税)

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