弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年3月15日

国家のシロアリ

社会

著者  福場 ひとみ 、 出版  小学館

 『週刊ポスト』で連載した記事を本にしたもののようです。
 復興予算と称して、まったく3.11復興とは関係ない人件費や公共工事に莫大な公金が費消されている事実を暴露し、糾弾しています。
 国会議事堂の改修費にも復興予算が投入されている。照明のLED化に1億2000万円。耐震補強のために7億円。中央合同庁舎4号館の改修のために12億円。
 19兆円という莫大な復興予算の大半が被災地とは無関係の事業に使われている。
 復活した自民党政権は、民主党政権よりもさらに大々的に復興、防災を名目として公共事業を推進している。
 復興予算書のなかには、法務省の検察運営費2500万円も入っている。
これにも、私は驚きました・・・。
 会計検査院の調査によると、被災者や復興のために必要と思われる予算の執行率は低く、せいぜい6割くらいなのに対して、復興と関係の薄いほうは100%に近い執行率だった。
そして、新聞・テレビそして雑誌にまで、「政府公報予算」として復興特需が流れていた。
これでは、「復興予算」の「流用」をマスメディアが取りあげるはずもありませんね・・・。
 この復興予算の流用を主導した犯人は民主党政権だった。そして、それを強く推進したのが自民党と公明党であり、深く加担した。さらに、その背後には流用を先導した官僚がいた。
 復興予算の流用のひどさを知り、むらむらと怒りが沸きあがってきました。
(2013年12月刊。1300円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー