弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年2月22日

秘密保護法は何をねらうか

社会

著者  清水雅彦・台宏士・半田滋 、 出版  高文研

 「何が秘密か?それは秘密です」
 特定秘密を漏えいしたら、最高10年の懲役刑に処せられる。現行法の1年以下(自衛隊員だと5年以下)にくらべて格段に重い。未遂だったときも処罰される。
特定秘密の内容が示されないまま、逮捕、起訴されて、裁判になったときにも有罪になる。
 こうなると、もう裁判ではありません。誰も、なぜ処罰されるのか説明できないというわけです。政府の思うままに処罰できる。これっで、まったく民主政治では、あるまじきことです。
公務員による内部告発も委縮してしまう。マスコミも足がすくみ、スクープ報道が期待できない。
 防衛省は秘密開示したことがない。これまでずっと廃棄してきたから。
 自衛隊員の給料は、一般の民間企業のサラリーマンより、はるかに高い、一佐(戦前の大佐)は、年収1200万円をこえる。そして56歳で定年を迎えても、天下りして週3日の勤務で現役のときの7~8割の年収が保障される。
 自衛官が「高給取り」だと叩かれないのは、国民が自衛官の高い年収を知らないから。
 これだけの高給取りなので日本の自衛官にとって、外国のスパイになるなんて、まったく割の合わないこと。
いま、弁護士会は、強行採決で成立した特定秘密保護法の施行(年末の12月が予定)までに廃案しようという署名運動に取り組んでいます。ご協力ください。
(2014年1月刊。1200円+税)

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