弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2014年1月12日

変り兜

日本史(戦国)


著者  橋本 麻里 、 出版  新潮社

 こんなにいろんな形と色のカブトがあるなんて、ちっとも知りませんでした。
 戦場のオシャレは命がけ、とありますが、大将たちはまさしく命がけの戦場で精一杯のおしゃれをしたのです。
徳川家康の19歳のときの甲冑(かっちゅう)はゴールド尽くしです。戦場で光り輝いたことでしょう。
 「井伊(いい)の赤備(あかぞなえ)」で有名な井伊直政のカブトは朱塗りです。戦場に朱塗りで固めた一団が現れたら、さぞかし脅威だったことでしょう。
 伊達政宗の重臣の伊達成実(しげざね)の南蛮鎖兜(くさりかぶと)は、なんと、巨大なムカデをその前面につけています。ムカデは怪異なる動物で、毘沙門天の仲間だった。
 蝶兜(ちょうかぶと)もあります。こちらは、優美な蝶のイメージです。
毛利家伝来の兜には、孔雀の羽で装い、ヤクの白い毛がついている。
 ウサギの頭がそっくりカブトになっているのもあります。ウサギの耳がピンと立っています。
 サザエの形をしたカブト、しゃちほこ形のカブト。いろんなものがあります。なんと、ハマグリをのせたカブトまであります。
見るだけで楽しいカブトの写真集です。
(2013年9月刊。1600円+税)

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