弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2013年8月23日

集団的自衛権のトリックと安倍改憲

社会

著者  半田 滋 、 出版  高文研

戦後の日本は、太平洋戦争の反省からスタートした。
 そうなんです。でも安倍晋三首相は、過去の日本政府の歴史認識を見直すと言います。侵略戦争なんて日本はしていない、東南アジアを解放してやったとでも言うのでしょうか。怖いことです。
2012年、イギリスのBBC放送が「世界により影響を与えている国」で、日本は2008年以来2度目の1位に選んだ。国際的な平和貢献が高く評価されている。
それを、今度はアメリカと同じ「武力貢献」に変えようというのです。そんなのを今どき、誰も評価するはずがありません。
安倍晋三首相の「日本を取り戻す」というのは、「戦前への回帰」のこと。戦前の日本国憲法の下では女性に参政権もなかった。自民党の改憲草案は「国民に義務を課し、権力者に従わせる」との理念が貫かれている。
安倍首相がオバマ大統領に面会したときの冷遇ぶりは、韓国の朴大統領と比較すれば明らか。安倍首相については、共同記者会見なし、アメリカ議会での演説もなし。
 オバマ大統領にとって最大の貿易相手国は日本ではなく、中国である。
 『防衛白書』は、日本周辺に差し迫った危機が存在しないことを明記している。
策源地攻撃能力を自衛隊が身につけるという。策源地とは、敵の出撃・発進拠点を指し、これを攻撃すること。しかし、これにはいくつもの問題点がある。自衛隊は「専守防衛」のもと、攻撃的な武器体系になっていない。地対空ミサイルをかく乱する電子戦機がない。F1支援戦闘機は航続距離が短く、攻撃したあと、操縦士は日本海で緊急脱出するしかない。つまり、戦闘機も操縦士も失ってしまう可能性が高い。日本は情報収集衛星を4基保有しているが、進行ミサイルを誘導できるほどの精度はもっていない。
 北朝鮮の大半の軍事施設は地下化しており、ミサイル基地も同じ。車載された移動式のミサイル基地を性格に命中させる保障はまったくない。
 北朝鮮が保有するノドン(日本まで届く)は200発、スカッドC(西日本まで届く)は600発、800発もの弾道ミサイルを保有する基地を攻撃する能力は日本にない。
そして、北朝鮮の軍隊はテロ攻撃に特化している。
日本に50ヶ所もある原発を占拠して自爆攻撃されたら、日本列島は破滅するしかありません。まるで考えの足りない安倍晋三首相に日本列島をまかせたくはありません。
 自衛隊と防衛省を長く取材してきた専門ジャーナリストだけあって、とても説得力のある本です。
(2013年7月刊。1200円+税)
 身体のあちこちに赤い斑点が出来て痒いでの、皮膚科に駆け込みました。ダニみたいな虫にかまれたのだろうという診たてでした。敷布団にゴザを敷いて寝ていると言うと、医師は即座に、ゴザには虫がつきやすいと断言。さっそく、その晩からゴザはやめました。保冷マットにかえようとしています。
 炎暑の毎日です。夜にぐっすり眠っておかないと体がもちませんよね。

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