弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2013年6月 1日

働く君に贈る25の言葉

社会

著者  佐々木 常夫 、 出版  WAVE出版

この社会で生き抜くうえでのヒントが、著者自身の体験にもとづいてぎっしり書かれています。肩に力を入れずに、すっと読めるビジネス書です。
 うつの奥様、そして自閉症の子をかかえて、ビジネス最前線でたたかい抜いてきた人でもあります。表紙の笑顔がいいですね。人柄が顔に表れている気がします。
 「それでもなお」という言葉が紹介されています。本当に心を打つ言葉です。
○ 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。それでもなお、人を愛しなさい。
○ 正直で素直なあり方は、あなたを無防備にするだろう。それでもなお、正直で素直なあなたでいなさい。
○ 世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちをうけるかもしれない。それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。
次は、時間の大切さです。私にとっても、時間こそ、もっとも大切なものです。お金なんて二の次です。時間より大切なものは家族のみです。
約束の時間を守ることは、相手を尊重すること。時間厳守はビジネスマンの鉄則。
人にとって、時間はもっとも貴重な財産である。
過ぎ去った時間は、もう二度と戻ってくることはない。どんなにお金を積んでも、ムダに費やした時間を取り戻すことはできない。
そして、仕事のすすめ方。ムダを減らすことは時間の節約にもなる。仕事を始める前に訊く。仕事の途中で、(分からなくなったら)訊く。これを実行するだけで、多くのムダを減らすことができる。これは、本当にそうですよね・・・。
 「何事にも全力であたる」
 これは、仕事のタイムマネジメントにおいては正しくない。物事には軽重、順序をつける必要があるからです。
 書くと覚える。覚えると使う。使うと身につく。自分の書いたものをあとで読み返して確認する。何度も繰り返して読み返すことによって、初めて物事は記憶として定着する。また、読み返しながら、そこに隠された意味や矛盾に気がつくことがある。
 簡にして要。これが話すときの鉄則だ。簡潔に、的を射た話をするように心がけること。
 いい本でした。いま自分のやっていることに自信の湧いてくる本でもありました。
(2012年8月刊。1400円+税)

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