弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2012年8月14日

橋下徹の金と黒い人脈

社会

著者   一ノ宮 美成+グループK21、 出版    宝島社 

 どうして、こんなデタラメな男をマスコミが大々的にもてはやすのか、信じられません。
 この本は、橋下徹の実像を鋭くあぶり出しています。広く読まれたらいいなと思いました。
 橋下市長は当初、原発再稼働に華々しく反対していたのに、いつのまにか再稼働容認に変身してしまった。そして、その変身直後の2週間、ツイッターを2週間も休止した。たたくのは得意であっても、たたかれるのは弱いからだ。
弱いものいじめが橋下徹の身上なんです。これって、いやな性格ですよね。
 自分が批判される立場になると、すぐさま雲隠れしてしまう卑怯な人間なのだ。
 メディアが本来果たさなければならない、権力監視が不十分だからである。橋下の言い分をマスコミはたれ流している。
大阪市民の支持率は、7割近くを誇った府知事時代から54%にまで下がった。
 「大阪市民はぜいたく」だと言い放って、市民サービスの予算を3年間で488億円も削減する。ところが、橋下のブレーンを特別顧問・参与として、合計50名に対して総額680万円も支払った。
維新の会は、全国で300人候補者に出すという。合計30億円をどうやって工面しようというのか。実は、候補者本人が選挙資金を自分で出せるかどうかが選考の基準になっている。
 橋下徹と維新の会を応援する財界は財界アウトサイダーである。紳士服のアオキ、ドトール、家具のニトリ、人材派遣のパソナなど・・・。
 橋下市長は、原発再稼働容認をうち出す前、ひそかに関西経済団体のトップと会食した。これで財界から取りこまれてしまったようです・・・。
 橋下市長は、サラ金特区そしてカジノ(ギャンブル)特区を提唱しています。ひどいものです。もっと実体をあばいてほしい、マスコミもきちんと正確な実情を伝えてほしいと思ったことでした。
(2012年7月刊。993円+税)

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