弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2011年12月10日

森の奥の巨神たち

生き物(ゾウ)

著者   鈴木 直樹 、 出版   角川学芸出版

 タイの森に棲むアジアゾウの生態がロボットカメラも駆使して、よく撮られています。
 象って、家族愛がすごいんですね。みんなで赤ちゃん象を守り育てていくのです。17歳になったらオスの象は一人立ちします。自由気ままな一人暮らしを楽しむのです。でも、一人立ちしてすぐのころには、元いた母親の群れに戻って甘えることもあるといいますから、まるで人間と同じだなと、つい苦笑いしていました。
 著者によると、動物園で飼われている象と野生の象とでは、まったく別の生き物といってよいほど違う存在だということです。飼われている象は、本来持っている機能、能力、知識のかなりの部分を失っているということです。
 象を森の中に追いかけているうちに、彼らの持っている、人間ですら共感できるほどにはっきりした誇りや意思、さらには細やかな愛情に接することができた。
 象は、まったく人を恐れない動物である。象は、遠い昔から人間のやることをずっとみてきていて、その力を見切っているようである。親から子どもへ、「人間って、たいしたことない」というのを知識として教えている節がある。
 子象の写真がたくさんあります。ほのぼのとした光景です。子象が母親に甘え、子象がイタズラをして大人象たちから叱られているとしか思えない写真まであります。子象たち同士も仲良しで、一緒に遊びます。
 ロボットカメラを使って、人間では撮れない貴重な場面がいくつもある、楽しい象の写真集です。
(2011年10月刊。3200円+税)


同窓会の話の続きです。
私のクラスでは法曹界にすすんだのが私一人だけなのです。珍しいと思います。ちなみに駒場寮の6人部屋からは3人が法曹界にすすみました(私のほかは裁判官2人です)。
銀行員商社マンになった人が多数でした。長い人で累計21年、短い人でも6年くらい海外にいましたということでした。20年も海外にいて、日本のことがよく分からなくなったといいますが、そのとおりだろうなと思いました。団塊世代は、世代の人数比の割には社長が少ないとよく言われます。社長は50代前半ということが大会社でも珍しくはありません。今回は欠席でしたが、一人だけ大会社の現役の社長をつとめています。もう長いよね?と訊くと、いやまだ3年だよ、大会社の場合、社長は6年くらいはやるものだからというコメントが返ってきました。
参加者に現役の社長が何人もいました。大手商社から独立して社長になったり、子会社に移って社長になったりした人たちです。さすがに社長の貫禄がありました。それでも、副社長のときは気楽だったのに、社長となると大変だとこぼしていました。なるほど、そうなんでしょうね。(続く)

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