弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2011年10月 3日

人間はなぜ眠れないのか

人間

著者   岡田 尊司 、 出版   幻冬舎新書

 世の中には、不眠症で悩んでいる人が意外に多いですよね。一日に4時間とか5時間しか寝ていないという人もいますが、夜ぐっすり眠れない、だから昼近くまで寝ていて、頭がずっと冴えないと嘆いている人が少なくありません。幸い、私は寝つきが良いのですが、たまに悶々とするときがあります。間違って夜7時以降にコーヒーとか緑茶を口にしてしまったときです。どうしてかなと振り返ってみて、はっと思いあたるのです。
 この本は眠ることの大切さとあわせて、ぐっすり眠るための秘訣を公開していて、とても実践的に役に立ちます。
 日本人の5人に1人は不眠症。3人に1人が何らかの睡眠障害をかかえている。短期の不眠では、一方で神経疲労の影響があり、もう一方でストレスホルモンの作用がある。
 眠れなくても、目を閉じて横になって休養しておくのは大切なこと。
神経システムが休みなく活動を続けると、一つには神経伝達物質を放出し尽くして貯蔵庫が払底してしまうことになる。また、受け手の受容体が神経伝達物質にさらされ続けた結果、一過性に反応しなくなる状態(脱感作)を引き起こす。これらが、神経疲労である。
 睡眠は健康な精神の維持に大切なものである。睡眠障害は、まず注意力(とくに注意の持続)記憶力などの機能を低下させる。高度な情報の統合を必要とする判断力や抽象的思考、想像力が、とくに影響を受けやすい。
 老化を防ぐためにも、中年以降はいっそう質の良い睡眠を十分にとることが大切だ。睡眠不足は攻撃的な行動を引き起こしやすいし、他者に対する関心が乏しくなって、ひきこもりの原因ともなる。
 ノンレム睡眠、ことに徐波睡眠は、免疫力を維持するうえで、非常に重要である。睡眠不足は、免疫力を低下させ、感染症、そしてがんにかかりやすくなる。
 レム睡眠は長期記憶の形成に関与している。
 よく眠るためには、ベッドで仕事をしたり、テレビを見ることはしない。夜眠るときは、必ず決まった寝室やベッドで眠るようにする。寝る直前に入浴するより、少し早目に入浴し、火照りが落ち着いてから床に入るほうがいい。
 夜、メラトニンの分泌が活発になると体温が下がる。このタイミングとあわせると、眠りに入りやすい。そして、午後のコーヒー、午後3時以降の昼寝は避ける。
 ぐっすり眠れたら、朝の目覚めがすっきりして、今日も一日がんばろうという気になれますよね。
(2011年6月刊。760円+税)
 日曜日に近くの小学校で運動会があっているようで、風に乗って号令をかける子どもの声などが聞こえてきました。もう久しく運動会には行っていません。
 先日、原発問題の学習会で今の福島市内の放射能量は学童疎開されるべきレベルなのに、政府は何もしないのはおかしい、人体実験をしているようなもので、許されないことではないかという指摘がありました。目に見えないだけに、放射能の恐ろしさを実感することは出来ませんが、妊婦さんや子どもたちの疎開はもっとすすめられるべきだと思いました。
 いま、わが家の庭にはピンクと白の芙蓉、酔芙蓉の花ざかりです。百舌鳥のかん高い鳴き声を聞きながら、せっせとチューリップの球根を植え、その準備をすすめています。来春が楽しみです。
 周囲の田んぼの稲穂は黄金色となり、刈り取りを待つばかりです。

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