弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2010年7月12日

先生、カエルが脱皮して、その皮を食べています

生き物

 著者 小林 朋道、 築地書館 出版 

 絶好調、先生シリーズの第4弾です。ますます生き物たち観察と文章力にみがきがかかっていて、一気に読ませます。まずは、タイトルになった話です。これって、本当の話なんですね。
 ヒキガエルは、脱皮した自分の皮を自分で食べていた。著者は、これを目撃したのでした。
 ヒキガエルは、分厚い皮膚をシャツを裏返しに脱ぐように脱皮しながら、その古くなって脱皮した皮を食べた。そして、皮を脱いであらわれた新しい皮膚には、パンパンに張りつめたイボと、それからしたたり落ちる毒液が見えたのだった・・・・。脱皮に長時間かかるため、そのあいだに身を守るため毒液の詰まったイボを備えていたというわけなのです。
 ヘビに出会ったヒキガエルは、体(とくに腹部)を、ぷくっとふくらまし、四股を伸ばし、相撲の立会い前のような姿勢を見せる。ところが、そのヘビは、単にヘビそっくりのオモチャであってはならない。あくまで、先がかぎづめのように曲がったタテ棒の格好をしていなければ、ヒキガエルは対ヘビ防衛姿勢はとらない。この「かぎづめのように曲がったタテ棒」とは、ヘビがかま首を持ち上げて捕食しようとする姿勢を示すものと考えられる。なーるほど、ですね・・・・。
 動けない植物は、草食動物がある程度の葉や枝や実を食べたら体調に異常をきたすような物質を体内(の細胞内)で生産している。だから、ミズナラのドングリばかり食べているネズミは死んでしまう。そこで、草食動物は、野生では、同じ種類の植物を食べ続けるのではなく、種類を変えながら採食している。
 うへーっ、そういうことなんですか・・・・。食べる方も、食べられるほうも、相互に自らの身体の防衛を工夫しているのですね。
 生命・生き物たちの神秘を身近に感じさせてくれる良書シリーズです。コバヤシ先生、引き続き、がんばってください。続刊を楽しみにしています。
 
(2010年4月刊。1600円+税)
 いよいよセミが鳴き出しましたね。10日に天神で、11日に自宅でまだ頼りなさげな鳴き声ではありましたが……。梅雨は明けませんが、本格的な夏到来ですね。
 庭のキュウリが何日かおきに見事に太くなってくれます。ミソと一緒に食べると美味しくいただけますが、ミソの代わりに五木村の山うに豆腐をのっけて食べています。ちょっと甘味がありますが、モロキュウの食感で、初夏を食べている幸せ感が味わえます。
 私のハゼマケは皮膚科で貰った軟膏をつけたらひどくなることもなくあっという間に直ってしまいました。ちょこさん、ご心配ありがとうございました。

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