弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2010年5月 8日

見えざる隣人

中国

著者:吉田忠則、出版社:日本経済新聞出版社

 中国人と日本社会というサブタイトルのついた本です。在日中国人の状況を紹介しています。
 日本に住む外国人のなかでは、今や中国人が韓国・朝鮮を抜いてトップ(最多)である。
 日本に住む60万人をこす中国人のほとんどは新華僑である。新華僑とは、新中国の成立後、1978年の改革開放以降に海外にわたった人々を指す。
 中国人は1988年には13万人だったから、20年のあいだに5倍に増えた。
 一時滞在も多い。旅行、出張のために日本に来た中国人は、48万人ほど。
 中国人が集中的に住む町の一つが池袋。池袋は中国人が起業する街でもある。
 日本の大学を卒業し、そのまま日本に残って日本企業に就職する外国人が増えている。そのなかで一番多いのが中国人であり、7割を占める。日本企業に就職する留学生の急増を中国人が引っぱってきた。
 留学生の採用が増えたのは、日本企業の国際化が進んだことと関係がある。
 2007年末時点で、教授の資格で日本に滞在している中国人は2453人いる。2位のアメリカ(1167人)と3位の韓国・朝鮮(965人)を2倍以上ひき離している。
 アメリカにいる中国人留学生は2006年に9万3700人で、日本には8万6400人。
 中国の若者の留学熱は冷めていないが、日本を目ざす人は、昔ほど多くなくなった。
 日本と中国との深い関わりを多面的に論じている本です。
(2009年11月刊。1900円+税)

 連休中に近くの小山(388メートル)に上りました。左膝が居たかったので、今年になて初めての山登りです。竹林の中をあるくと、ひんやりして気持ちの良い風が吹いてきます。タケノコ掘りの跡も見えます。
 たっぷり1時間かけて見晴らしのいい頂上でお弁当開きにします。おっと、その前に、来ていた上着を全部ぬいで上半身裸になって汗を拭きとり、着替えます。さっぱりしたところで紅茶を飲み、おにぎり弁当にかぶりつきます。
 もやがかかって、まさに春霞です。遠くの山は見えますが、海の方は見えません。ウグイスが足元にある林で鳴き、涼しい風が下の方から吹き上げてきます。
 地上の人間世界を眺めながら、じっくり弁当を噛みしめます。至福のひとときです。

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