弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2009年1月23日

アマゾンの森と川を行く

アメリカ

著者:高野 潤、 発行:中公新書

 アマゾンというと、大自然そして密林(ジャングル)というイメージですが、実際には鉱物資源の開発、牧場用の開拓などで、どんどん切り拓かれているようです。といっても、まだまだ奥地のジャングルは残っています。そこへ大胆にも入りこんで生活し、写真を届けてくれる著者の行動力は、いつものことながら感嘆させられます。この本はカラー版なので、アマゾンの大自然の威容を居ながらにして少しばかり味わうことができます。
 ワニの叫び声を模写してワニを呼び寄せる現地の男性がいます。寄って来たワニは、舟のすぐ近くまで「何だい、何だい」と咆哮を上げながら近づいてきます。夜の川に目をギョロギョロさせて舟に近づいてくる大きなワニなんて、不気味そのものですよね。
でも、怖いといえばやっぱり蛇です。黒くて太い大蛇がアマゾンにはうじゃうじゃいるのです。木の上で昼寝しているアナコンダ。川の中を泳ぐ模様つきのボア。シカも丸呑みするのです。うっかりジャングルに踏み込むと、大蛇に飲み込まれてしまいそうです。おー、こわ、こわーい。
 いえいえ、ジャガーもいます。人間が一人だと分かると襲ってくるほど賢いジャガーです。よく見張っているのです。ブルブルブルッ。寒気がしてきました。ジャガーは、森の王、というべき存在なのです。
 アマゾン特有の風土病もある。治ったはずの風土病が再発した。寄生虫が皮膚を食い荒らす。これには抗生物質は効かない。そして、原因不明の肺炎にもかかった。
いやあ、大自然のなかには素晴らしい自然とともに自然の脅威にみちみちているのですね。私は、アマゾンは写真だけで結構です。写真でガマンすることにします。
 水曜日、朝からハローワークそばの空き地で相談会があり、担当者の一人として参加しました。医師や医療関係者が大勢きていました。法律相談のコーナーに来た人は2人だけでした。過払いの可能性が大いにあります。もう一人は、昨年12月に解雇され、2月から失業保険はもらえるけれど、その間のマンションのローンの支払いが大変だという話でした。こんなとき、つなぎ資金の制度があれば、と思いました。
(2008年10月刊。1000円+税)

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー