弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2008年10月19日

なにがスゴイか?万能細胞

人間

著者:中西 貴之、 発行:技術評論社

 人間の身体は、およそ200種類の細胞でできている。皮膚や筋肉・内臓などは、その臓器専用の細胞が集まってできている。
 ところが、受精卵にまでさかのぼると、身体を構成しているすべての種類の細胞はたった一個の受精卵が細胞分裂してできたものである。そして、今や皮膚などの、既に万能性を失ってしまった細胞を初期化する方法が存在することが発見された。取り出された皮膚などの細胞から、その技術を応用して臓器細胞を作り出すことが可能になりつつある。
 脳細胞でさえ、幹細胞が存在し、記憶や学習にともなって神経細胞が誕生していることが判明している。
1996年に誕生したクローン羊「ドリー」は、世界初の体細胞クローン哺乳類であった。これによって、遺伝子も初期化できる可能性のあることが示された。
 赤血球の消耗はすさまじく、造血幹細胞は毎日1000〜5000億個もの赤血球を作っている。うひゃあ、こ、これって、あまりにもすごい数ですよね。信じられません。まさしく人間の身体の神秘です。
 今では、哺乳類もふくめて、神経系は再生することができることが判明している。たとえば、脳のニューロンが損傷を受けたときには、神経幹細胞が活躍して、その損失を補おうとする。
 この万能細胞が病気の治癒にも活躍し始めているようですが、下手に扱うと、生命を人間が勝手にいじくり回して変な奇形の身体ができる心配もあるのではないでしょうか。また、営利主義で運用されるのも困りますよね。それはともかく、カラーで、たくさんの絵ときがなされていますので、なんとなく人体の不思議が分かった気にさせてくれる本です。
 10月の連休は、久しぶりに庭の手入れをしました。このところクモの巣だらけになっています。いつもより多いのは、旅行が続いて手入れを怠ったからでしょうか。黄金グモなどにゴメンヨと声をかけてクモの巣を払い落としました。ヒマワリが終わりましたので、根っこから掘り起こしました。今またエンゼルストランペットの黄色い花がさかりです。
チューリップの球根を植えるため、コンポストに入れておいて枯葉などを埋め込みます。畳一枚分を彫り上げると、ふっと思わず嘆息を漏らすほどの重労働です。陽が落ちると、ずぐに夕暮れになってしまいます。初夏の頃は夕方7時すぎまで明るかったのに、今では6時半には夕闇に包まれてしまいます。右膝の痛いのは、この庭仕事のせいだと思いますが、なんとか暗くなる前に畳一枚半分のチューリップ畑を確保することができました。これからチューリップの球根を植えていきます。
(2008年7月刊。1580円+税)

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