弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2006年11月10日

心臓にいい話

著者:小柳 仁、出版社:新潮新書
 心臓は、自ら音を出す唯一の臓器である。私たちの意思とは無関係に、定期的に音が聞こえているような臓器はほかにない。
 心臓は、安静時で1分間に70回拍動し、1回ごとに出ていく血液は70ミリリットル。最低でも毎回10万回も収縮をくり返し、7000リットルもの血液を全身に送っている。心臓から流れ出た血液は、30秒ほどで全身をめぐって再び心臓に戻ってくる。えーっ、そんなに早く血は身体中をめぐっているんですかー・・・。
 日本では、現在、30万人がペースメーカーをつかっている。
 ニトログリセリンに血管拡張性があることが分かった。ニトログリセリンには冠状動脈を広げる効果がある。私の依頼者にもニトログリセリンを持ち歩いている人が何人もいます。舌下錠です。心臓に激痛が走ったとき、舌下に1錠入れて10〜20分で効果があります。逆に30分たってもまだ苦しくて、2錠目が必要になるかどうかで、狭心症なのか心筋梗塞に向かいつつあるのか区別できる。そうなんですかー・・・。
 心臓は許される虚血時間が短い。4時間しかもたない。4時間のうちに血流を再開して、真っ赤な血を流してやらなければ、その心臓は蘇生しない。これに対して、肝臓は12時間、肺は8時間、腎臓では24時間の虚血時間に耐える。
 心臓移植をして、20年以上も生活している人がいる。現行の人工心臓の耐用期間は、長くても2〜3年。現在、人工心臓によって生命を維持している人は、日本国内に20〜30人ほど。
 心臓にとって、たばこは厳禁。ニコチンを注射すると、冠状動脈は攣縮してしまう。タバコは心臓にとって、百害あって一利なし。
 健康な心臓にとって、ストレスは必ずしも大きな問題ではない。真夜中から午前中にかけて心臓発作が起こりやすい。睡眠中には脳からの指示がないから。昼間のストレスを受けながら活動しているときには、心臓は元気よく働いてくれる。
 死ぬまで休みなく働いてくれる心臓がいとおしくなってくる本です。

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