弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2006年11月 2日

霞っ子クラブ

著者:高橋ユキ、出版社:新潮社
 人気ブログが単行本になったものです。手軽に、さっと読めます。中味は裁判ウォッチングです。平均年齢27歳の4人娘による裁判傍聴記なのです。
 副裁判官という言葉にぶつかり、えーっと、思いました。裁判長の左右にいる人を指しているようです。でも、副裁判官というと、なんだか準裁判官っていう感じですよね。実は、私の業界では副裁判官という呼び方はしません。
 スーパーで1394円の万引きをして正式裁判になった事件が紹介されています。本当にそんな事件があるんです。しかも、少なくないんです。そして、結果は懲役1年前後の実刑になってしまうことが多いんです。なぜかって言うと、たいてい常習だからです。所持金8000あって、600円の梨を万引きしようとして、求刑が懲役5年というケースにもぶつかっています。何億円も業務上横領した会社トップは大弁護団をかかえて争い、無罪になったりします。ホント、矛盾を感じますよね。
 裁判所や弁護士会館の地下にある食堂も紹介され、4人娘のコメントがのっています。私の大好物でもある弁護士会館地下のソバ屋のごまだれせいろウドンも紹介されています。これって、安い(580円)うえに本当に美味しいんです。ぜひ一度、食べてみてください。そして、農水省の地下食堂と売店もおすすめです。ここも安くて美味しいのです。
 法廷における裁判官、検察官そして弁護士たちの、あっ、もちろん被告人も、彼らの生態がきわめてリアルに、かつ情け容赦もなく、こと細かに紹介されています。こんな女性たちが傍聴席にいたら、気になって仕方がないでしょう。
 実際の裁判はどう進行しているのか、それを知るために役に立つ本です。

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