弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2006年10月 6日

ナスカ、地上絵の謎

著者:アンソニー・ド・アヴェニ、出版社:創元社
 ナスカの地上絵は、世界の8番目の不思議、考古学最大の謎とも呼ばれてきた。ペルー南部の海岸近く、石と砂の大地に1000平方メートルの広さに1000以上の図像がある。1930年代に航空機のパイロットたちに発見された。
 パンパに刻まれた生物のなかで、もっとも多いのは鳥。最大のグンカンドリを描いたと思われるものは、6万7000平方メートルのスペースを占めている。コンドル、ペリカン、ウ、ハチドリ、そしてトカゲ、キツネ、サル、クモ、魚、昆虫。
 1200年以上前に刻まれたにもかかわらず、ラインは当初の状態をかなり良く保っている。これはパンパが比較的安定した状態にあることによる。風による侵食は最低限であり、水によるごくまれでなきに等しい。
 ひとつのチームの作業員が石を集めて積み上げ、その石をつかって別のチームがはっきりした黒い縁取り線をつくっている。ライン・センターの上に立つ親方が線のふちがまっすぐになるように照準棒をもった作業員に指示を出している。
 一般の人々が抱くイメージとはちがって、2000年前のナスカにはラインをつくるための労働力は豊富にあった。ナスカには、土器と織物だけでなく、かなりの数の建築物が現有する。居住地跡と埋葬跡も数多くある。

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