弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2006年7月10日

まる儲け!

著者:大田 勝、出版社:角川ワンテーマ21新書
 成功している化粧品会社の社長の苦労話です。どんな化粧品なのか、実は、まったく知らないのですが、書いてあることに共感を覚えましたので、紹介します。
 出る杭は打たれるが、出すぎれば認められる。たった一度の人生、かけがえのない人生なのだから、言いたいことは言い、思うように生きたいものだ。
 基礎化粧品なんか要らない。洗顔が基本だ。25歳はお肌の曲がり角。だから基礎化粧品で肌に栄養を与えてあげないと、老化が早まってしまうなんていう化粧品業界のコマーシャルは根拠がない。
 新陳代謝や皮膚呼吸がスムースに行われ、皮脂が十分に分泌されていれば、皮膚の表面には皮脂や汗が混じりあった皮脂膜が形成され、バリア機能が働く。つまり、皮膚は上部になり、アレルギーなどの外敵にも負けにくくなる。肌には何よりもまず、洗顔が大事なのである。皮膚の角質層に届くのは、せいぜい保湿成分であり、皮膚の奥深くに栄養が吸収されることなどありえない。これは皮膚学の常識だ。皮膚に栄養を供給するには、口から食べるしかない。
 長年クリームやら美容液を肌に与え続けてきたため、肌が本来分泌すべき皮脂を、もう十分に足りているから分泌する必要はないだろうと勘違いさせる。過剰な手入れによって肌本来の機能まで失いかけているのだ。
 大衆に説得は無用。大衆は、まわりくどい説明の一部始終を辛抱強く聞いてくれるほどヒマではない。うーん、たしかにそうなんでしょうね・・・。でも、そこをなんとか乗り切らないと・・・、とつい思ってしまいます。
 大衆の目線でモノを見、生活感を忘れないこと。心に訴えなければ、成果は望めない。
 サラリーマンを15年以上続けた人は、無理をせず、そのままサラリーマンでいたほうがいい。脳細胞がすっかりサラリーマンになってしまっている。脳細胞の危機管理能力は衰えている。経営に必要な勘が働かなくなっている。無駄なことはしないのが、私のモットー。実は、わたしもそうなんです。
 赤信号で左右を見て安全を確認して渡る人は多い。しかし、赤信号で待つくらいの余裕はもっておきたいもの。赤信号は誰に向かっても危険を知らせるサインであり、これに用心するのは当たり前。しかし、人生の不幸は、実は青信号のときに迫っていた危機に気づくのが遅れたために起こるものだ。自分自身の目と耳で、安全をしっかり確認してから確実な一歩を踏み出す。社会のルールなどに依存せず、まずは自分を信じて歩き出す。それが自信というもの。自信は、依存を捨てた心にしか芽生えない。
 どうしようもないことに、くよくよ悩まない。これも、わたしと同じです。といっても、放っておくとくよくよしたくなりますので、気分一新を図る工夫が必要です。わたしの場合は、それは本を読むことです。本の世界に没頭していけば、くよくよしていたことなんか、きれいさっぱり忘れることができます。
 日本は、消費者一人あたりの化粧品消費額が世界トップ。市場規模はアメリカに次いで世界第2位。実は、日本の国内化粧品市場はここ何年も伸びていない。しかも、そのなかで、アメリカやヨーロッパの外国製品がじわじわとシェアを拡大し、1兆7000億円の市場の16%は海外製品が占めている。
 親が子どもに教えてやるべきことは、義務感ではなく、好奇心の大切さだ。わたしも、本当にそうだと思います。世の中って、知らないこと、不思議なことだらけですからね・・・。そう思いませんか。いつのまにか57歳になってしまったわたしは、毎日毎日、ええーっ、世の中ってこうなってるのか、と新鮮な驚きを感じています。
 きのう(9日)、セミの鳴き声を今年はじめて聞きました。ヒマワリも一つだけですが大輪の花を咲かせています。庭はヒマワリとコスモス畑になってしまいました。エンゼルス・トランペットが淡いピンクの花を咲かせ、芙蓉も枝をぐんぐん伸ばしています。いよいよ梅雨が明けて夏到来です。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー