弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年10月31日

金沢はおいしい

著者:金沢倶楽部
 大人のための金沢極上案内というサブタイトルがついています。いかにも美味しそうな料理がカラー写真で紹介され、店のマップもついているので、便利このうえもありません。
 久しぶりに金沢へ行きましたので、私もその前にこの本でしっかり予習し、お店も予約して出かけました。
 人生、健康に生き、元気に死ぬには、なによりも、おいしいものをおいしくいただくことが大切。このなかから、あなただけの「運命の一軒」が見つかりますように・・・。
 この本にはこう書いてあります。まったくそのとおりです。私も、その「運命の一軒」を探りあてることができました。
 まずは、日本料理の「つる幸」です。あとで金沢の弁護士に聞くと、自分たちも滅多に行かない(行けない)店だということでした。6頁にわたってお店と主(あるじ)そして料理が紹介されています。
 なにげない素材をはっとするほどの味に仕上げる工夫は何人も真似ができない。上品、たおやか、そして静謐なたたずまいのひと皿ひと皿に、まさに日本料理の真髄が凝縮されている。料理は楽しく美しく、そして美味しい。一汁一菜の端々にまで、いのちを削った覚悟がこめられている。二代目の主はまだ37歳と、若い。若々しさがあふれる中にも、二代目ならではの力強さがいっそう極まってきたと評判。
 私が行ったのは秋(10月)でしたから、香りのよいホンモノの松茸も出ました。ともかく一皿一皿が本当に手のこんだ料理です。見た目に美しく、眼で秋を感じて楽しませ、舌で味わせてくれるのです。栗のイガイガまで本物そっくりにつくられているのに驚嘆しながら、味わい尽くしました。最後の栗ごはんは、ついつい、日頃になく2杯目を食べてしまいました。若いころと違って、肥満を気にせざるをえないのが残念です。
 翌日は、やはり金沢のお寿司屋さんに出かけることにしました。もと金沢大学が近くにあって、大学の先生方がよく利用していたという「千取(せんとり)寿し」へはるばるタクシーに乗って出かけました。長くて広い板目も見事なカウンターの向こうに、寿司職人が4人も立っています。
 寿司は小ぶりで、ネタとシャリのバランスが実に絶妙である。
 この本に書いてあるとおりです。おまかせコースを最後まで全部食べ尽くし、甘エビに似た「ガス」と呼ぶエビと白い貝殻のむき身を追加して食べました。甘エビにもいろんな種類があるようです。ここでは基本的に金沢近海ものを食べさせてくれます。目の前で、あざやかな手つきで寿司を握ってくれるのを、一つずつしっかりかみしめて味わっていきました。ホンモノの寿司を食べたぞ、と叫びたくなるような満足感にみちみちて店をあとにしました。そして、値段の方も案外に高くなかったので、さらにうれしさが募りました。
 近江町市場にも2度、顔を出しました。生きのいい魚たちがたくさん並べられていました。金沢のおみやげで特筆すべきなのは不室屋の麩です。「宝の麩」を買って帰りました。モナカのような格好をしていますが、お椀に入れて、お湯をそそぐと香りも高いおすましができ上がるのです。これは重宝です。しかも麩ですから、軽くて、お土産品にはもってこいです。それやこれやで、しっかり金沢を堪能してきました。もちろん兼六園にも行き、百万石通りもブラブラしてきました。
 いったい金沢に何をしに行ったのか、ですか。もちろん会議に参加したのです。これからの弁護士はどうあるべきか、しっかり勉強もしてきたのですよ、ホントに。

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