弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年10月28日

天文学入門

著者:嶺重 慎、出版社:岩波ジュニア新書
 子ども向けの本なのかもしれませんが、大人である私が読んでも楽しく、勉強になりました。なにより、星のカラー写真が見事です。
 私の夏の夜の楽しみは月を眺めることだというのは前に紹介しました。その月はどうやって誕生したのか。
 地球がまだ完全に固まっていないころに、火星ほどの大きさの天体が衝突して地球の中身をえぐり出し、飛び散った放出物が集まってできた。だから、月の岩石を分析すると、地球の内部にあると考えられている岩石によく似ている。
 ところで、アポロは実は月面に降りていないという内容の本を私が紹介したところ、トラックバックで、アポロが月面におりたのを信じないとは、と嘆かれてしまいました。NASAのホームページに写真がたくさんあるのを見れば一目瞭然だということです。申しわけありませんが、まだ見ていません。ホンモノなのでしょうか。それにしても、公刊されている月面写真の背景が真っ黒で、星がちっともうつっていないのはなぜでしょうか。NASAのホームページの写真は背景に星がちゃんとうつっているのでしょうね。
 人間の身体と宇宙にある星との結びつきも紹介されています。
 人間の身体のおもな成分である炭素や酸素や窒素などは、かつて天の川銀河のなかで輝いていた恒星の内部でつくられたもの。だから、人間は星の子ともいえる。人類の文明社会に不可欠な金・銀・銅やウランなどの物質は、超新星爆発の瞬間につくられたもの。
 宇宙の年齢は137億歳。うーん、その前には、宇宙はなかったのか。なかったとしたら、それは無からうまれたということか・・・。まるでよく分かりません。
 でも、今も、この瞬間にも、広大な宇宙のどこかで星が誕生し、また死滅していっているのですよね。広大というにはあまりにも広すぎます。無限大といいたいところですが、有限なんですよね。でも、有限といっても、一人間として、手の届く範囲ではありません。うーん、どうしよう・・・。といっても、何ができるわけでもありませんが・・・。今度、日本人の青年実業家が23億円も出してロシアの会社による宇宙観光旅行に出かけるようです。お金のある人にはいいのかもしれません。今度はホリエモンが乗り出すそうです。値段も2割とか1割に大幅にダウンするといいます。大金持ちの道楽にはいいでしょう。でも、どっちにしても普通の市民にとってはまるで夢のような話でしかありません・・・。
 なぜ夜空は暗いのか。星が無数にあるのだったら、空は一面光り輝いているはずなのに・・・。そのこたえは、天体の年齢は有限だから。人間が見渡せるのは光速と宇宙年齢のかけ算の距離にすぎない。天体からの光の量をすべて足しても無限大とはならない。夜空が暗い、ということは、宇宙に歴史があることの反映。うーん、宇宙に果てはあるのか。
 宇宙はいずれなくなってしまうものなのか・・・。秋の夜長に虫の音を聞きながら、私の悩みも深まる一方なのです・・・。
 10月半ばの日曜日、夕方から庭に出て畑仕事をしていました。太陽が沈むと、たちまちまん丸い満月が出て一番星が輝きはじめました。星の輝きがあまりにも鮮烈で、しかも空高く揺らいでいるように見えましたので、一瞬、飛行機かヘリコプターかと思いました。あわてて双眼鏡やら望遠鏡をもち出して星を眺めました。キラキラと宝石のようにまばゆいばかりの輝きでした。きっと宵の明星だったのでしょう。なんとなく高価な宝石を手にしたような、そんな得した気分になりました。

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