弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年10月14日

かわいい孫の愛し方

著者:岡崎光洋、出版社:熊日出版
 甘やかしが孫をダメにする。そんなサブタイトルがついています。なるほど、そうなんです。孫がかわいいからといって、ガマンすることを身につけさせるしつけをせずに、どんどんお金にあかせて欲しがるものを買い与えつづけていったら、孫の人間性をゆがめてしまうのは必至ですよね。
 おじいちゃん、おばあちゃんが、孫へ直接的な甘やかしすぎたり、逆に冷厳すぎたり、また子夫婦の子育てへ過干渉する。これが問題なのです。
 なぜ甘やかしすぎるのか。あるおじいちゃんは、自分の家はかつて貧乏で、何も買ってもらえずに友だちにバカにされた。だから、孫にだけはそんな思いをさせたくない。それだけで、甘やかしているわけではない、と言ったそうです。これでは、おじいちゃんの単なる自己満足でしょう。孫には、ほしいと思っても、ガマンしなければいけないときもあることを教えるべきです。
 父親が父親でなく、心理的には「息子」のままにとどまっている男性がたくさんいる。いつまでもだらしなく、わがままで、大人になっていない。
 おじいちゃんたちの孫への溺愛や迎合がストレートに孫に届きすぎている。
 おじちゃん、おばあちゃんが、子や孫にきちんと伝えるべきことは次の3つ。
 ひとつは歴史。ふたつ目は心の大きさ。そして、命のはかなさ。
 兄弟20日、孫20日。これは、20日もともに暮らすと、お互いにあきてきて嫌気のさすことが多いということ。なんだか思いあたるフシがあります。皆さんはいかがですか。
 たいていの孫は、どんなに祖父母からかわいがられていても、最終的にはいずれは母親を一番慕うようになるし、必要とする。幼いときに、どんなにおばあちゃんっ子、おじいちゃんっ子であっても、いずれ、お母さんを一番求める。
 うーん、222頁という薄い本ですが、いろいろ考えさせられました。幸か不幸か、私にはまだ孫がいません。そのうち孫誕生ということになったら、この本を読み返してみようとは思っています。

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