弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年9月 9日

スノーモンキー

著者:岩合光 有名な動物写真家による長野県の地獄谷のニホンザルの一年と一生をうつした大判の写真集です。眺めているだけで、なんだか心がゆったり、ほのぼのとしてきます。
 白い雪を頭にかぶりながら、温泉につかっているサルの写真は、まるで、タオルを頭の上にのせて雪見酒を飲んで顔が赫くなってしまった人間(ヒト)の写真です。子ザルたちが群れをなして遊んでいる写真には生命の躍動を感じます。母ザルと子ザルとのあいだの親密な関係もうつされています。人間の赤ん坊とそっくりです。
 春になって木々が芽ばえてくると、サルたちも生き生きしてきます。ヤマザクラの花も食べます。サルの赤ん坊は、4月から6月にかけて次々に生まれます。必死で母ザルにしがみつく赤ん坊ザルの可愛いらしさといったら、ありません。そして、姉さん子ザルが赤ん坊の面倒をみたがるのです。
 秋は、サルたちの交尾期。オスもメスも顔や尻を真っ赤にします。秋のオスは、ひたすら交尾に集中するのです。メスもそれを受けいれます。
 サルは母系家族。ほら、似てるでしょ。そう言われても、なんだかみんな同じような顔に見えます。でも、じっくり見ていると、たしかにサルごとに違った顔をしていますし、似てもいる気がしてきます。
 サルの寿命は25年から30年と言われています。ひっそりと死んでいくそうです。
昭、出版社:新潮社

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