弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年7月 6日

イラクからの報告

著者:江川紹子、出版社:小学館文庫
 写真家の森住卓(たかし)氏の写真が満載の文庫本です。コンパクトですし、590円という安さですから、ぜひ買って読んでみてください。
 こうやっておすすめするのも、森住卓氏をお招きして講演会をもったからです。500人も入る会場を借りましたので、参加者100人ではみっともないので、依頼者の方に頭を下げて参加をお願いしました。当日は、なんとか400人近くの参加者があって格好がつき、森住氏の話を安心して聴くことができました。
 森住氏は、イラクの人々はとても親切だし、日本人を大歓迎してくれたと語りました。なぜ、アメリカ軍の一員として自衛隊を派遣したのか、イラクの人には理解できないのです。アメリカ軍がイラク侵略戦争で大量の劣化ウラン弾をつかったため、大量の奇形児がイラクで生まれるようになりました。無脳症の赤ちゃんや水頭症の赤ちゃんの写真は見るに耐えないものがあります。でも、あなたの写真にとってもらうために生まれてきたようなものだから、ぜひ撮ってくださいと看病していた医師から言われて森住氏がとった写真です。私たちも目を逸らしてはいけないと思いました。
 この本によると、イラクの公共工事を日本企業がたくさん手がけて、信用が厚かったということです。総合病院13ヶ所、高速道路126キロ、下水道、大学8校などです。
 130頁ほどの薄っぺらな文庫本ですので、簡単に読めます。イラクのことを知るきっかけになりますので、ぜひ読んでみてください。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー