弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年4月28日

死んでも返せ

著者:夏原武、出版社:宝島社
 ヤミ金融の内側へ突撃取材していますので、暴力金融の実態がそれなりに分かります。
 むかしは登録していない金貸しを「ヤミ金」と言っていましたが、今は登録していても「ヤミ金」と言います。とんでもない暴利をむさぼっている業者のことです。登録料はわずか15万円(ちょっと前までは4万円)で、これで新聞広告をうてるようになるのですから、安いものです。
 ターゲットは懲りない借金依存症の人々です。これが実に大群なのです。にもかかわらず、このところクレ・サラ相談が激減しています。東京では半減したそうです。福岡でもかなり減っています。なぜ?
 多額の借金をかかえて二進も三進も(にっちもさっちも)いかなくなった人は多いのです。ところがヤミ金からの取り立てにあって怖くならないと(お尻に火がつかないと)、公的な相談所にはいかず、その日暮らしをしてしまう人が多いということです。ヤミ金規制法が少し実効性をあげているため、相談にいくべき人たちが相談に出かけていないということだと思います。手遅れにならないうちに、然るべきところに相談に行った方がよいと思うのですが・・・。

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