弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年2月28日

裏ミシュラン

著者:パスカル・レミ、出版社:バジリコ
 私は残念なことに、フランスで星のついたレストランで食事をした経験がありません。でも、三つ星レストランの料理を紹介した本はこれまで何十冊と読みました。写真で見て、目で楽しみ、文章で雰囲気を味わうのです。わずか2000円ほどで豪華ディナーをたんのうできるのです。舌で味わえなくても、想像力で補ってきました。
 とは言っても、私はフランスで美味しい料理を実際に味わったことはあるのです。デイジョンでキールを初めて飲み、リヨンでクネル(魚料理)を食べ、パリのビストロで巨大な自家製パテに挑みました。生きのいい生カキも堪能しました。今でもはっきりと思い出すことができます。40代の初めには、南仏のエクサンプロバンスでひと夏の独身生活を謳歌することもできました。ワインはロゼです。こってりした魚スープをいただくと、あとは、もうサラダだけでもいい。そんな気になりながらも、なんとか肉料理にすすみます。マルセイユではブイヤベースとともに、野ウサギの赤ワイン煮こみもいただきました。うーん、また行きたくなりました。ぜひ、近いうちにまた行ってこようっと・・・。
 有名なミシュランガイドの調査員だった人が調査の裏話を紹介しています。調査員はたった5人しかいないそうです。毎回毎食、フランス料理を食べていたら健康は大丈夫でしょうか、と心配になります。
 レストランの側も調査員だと分かると、なんとか特別待遇しようとします。でも、調査員だと気づかれないように行って食事をし、最後に身分を明かすというのです。そのときのレストラン側のあわてぶりが面白く語られています。それはそうですよね・・・。
 でも美味しい料理って、なにより食べる側の体調によりますよね。ほどほどにお腹をすかしていないといけません。そして、連れが大切です。そのうえで、店の雰囲気ですね。三拍子そろうというのは、なかなか難しいものです。こうなると、お金だけの問題ではありません。

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