弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年2月25日

ピエロの赤い鼻

著者:ミシェル・カン、出版社:扶桑社
 この正月に見たフランス映画です。ナチスに支配されていたフランスでのささやかなレジスタンス行為がナチスの報復によって悲劇をもたらすのです。
 父親と子どもの葛藤をも見事に描いています。例によって映画と原作とはストーリーがかなり違います。私は映画の方がむしろ状況描写としてうまくできていると思いました。小学校の教師をしている父親が日曜日ごとにピエロになって人々を笑わせている。息子としては肩身が狭いし、嫌でたまらない。でも、ある日、その理由を聞かされる。それを知って息子は父親を見直す・・・。
 ピエロ役の俳優が実にうまいと感心しました。フランス映画にも、もちろんいろいろありますが、ナチスに支配されていた当時のことがいろんな角度から次々に映画化されていっているところが、日本との違いです。軍国主義日本を反省するという映画は、日本ではめったなことでは見れませんし、いわんやヒットして話題になることはまったくありません。残念なことです。「人間の条件」とか、昔は、いろいろ反戦映画がありました・・・。

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