弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年2月10日

KALAHARI チーターがいる砂漠

著者:佐野高太郎、出版社:かもがわ出版
 アフリカ南部のカラハリ準砂漠地帯に生息するチーター兄弟が主人公です。こんなに近寄ってカメラをかまえて、襲われなかったのが不思議なほどです。精悍なチーターの表情がくっきり鮮明なのは、さすがイギリスBBCの賞をとったほどのプロカメラマンです。
 大平原のなか、チーターはじっと獲物を狙って3日間も観察していることがあるそうです。ここで狙われるのはスプリングポックです。シカみたいな動物です。
 チーターは瞬間時速120キロといっても、500メートルしか持久できません。他方、スプリングポックは、時速80キロを10キロメートル以上も続けることができます。したがって、両者には、一定の距離をおいておけば、「安全」(逃げられる)という関係にあります。
 それでも、ときには獲物を仕留めなければチーターは生きていけません。一度ありついたら、5日間はお休みです。こうやって自然の摂理は働いています。チーターはジャッカルには強くても、ハイエナは負けてしまいます。また、ライオンがいると獲物を横どりされるので狩りははお休みします。
 アフリカの大自然のなかで、野生動物たちの生きていく厳しさがよく撮れている大型写真集です。

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