弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年1月14日

鳥の起源と進化

著者:アラン・フェドゥーシア、出版社:平凡社
 鳥の祖先は恐竜である。恐竜は温血動物である。今や定説となっていると思っていましたが、実は間違いのようです。600頁をこす大部な本ですが、大変説得力があります。さすが、著者は鳥のことなら何でも知っている、それがよく分かります。なにしろ、たとえば鳥の耳の中骨の構造とその種による違いまで図解されているのですから・・・。
 ヨーロッパでダーウィンの生きていたころに発見された始祖鳥(シソチョウ)は1億5000万年前に生きていた。鳥によく似ている恐竜は8000万年後の今から7000万年前に登場した。つまり、恐竜を鳥類の祖先とするのには無理がある。
 鳥の祖先は、恐竜になる以前にいた樹上で生活する小型の四足動物だった。鳥類の飛行は樹上から始まった。恐竜が地上で走って空を飛べるようになったのではない。
 ハタオリドリは、らせん巻き、平織り、交互逆からげ、スリップ結びなど、さまざまの複雑な結び方をする能力がある。私なんかとてもできない能力をもっているわけだ・・・。
 ペルム紀の後期から三畳紀は、多様な爬虫類が樹上生活で様々な実験を行った時代だった。原鳥類が羽に支えられながら跳躍したり、落下傘降下したりするうちに、滑降する仲間が現われ、羽ばたき飛行を進化させた。鳥類は樹上性の小型祖竜から生まれた。
 鳥と恐竜の関係を真面目に議論するなら、必読の書物です。

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