弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2005年1月 7日

ハーバードからの贈り物

著者:デイジー・ウェイドマン、出版社:ランダムハウス講談社
 ハーバード大学のビジネススクールの最終日。授業を早々に切り上げると、教授が学生に向けて自らの体験をもとにアドバイスをする伝統がある。
 ハーバード大学というとアメリカでも名門中の名門の大学だから、その教授は名門大学出身の教授ばかりで占められているかというと、そうでもない。というのも、ハーバードビジネススクールでの成績とその後の会社に入ってからの業績との間には何らの相関関係もないことが証明されている。ジョン・F・ケネディはハーバード大学でいくつもCをとっているし、フランクリン・D・ルーズベルトはコロンビア大学を卒業できなかった。イギリスのウィンストン・チャーチルは大学入試に失敗もしている。
 ハーバード大学の卒業5年間の同窓会になんか行ってはいけないと断言する教授がいる。というのは、自分の実績と収入と、自分自身の目標や成功の基準ではなく、同級生の実績や収入と比較することになるから。その結果、多くの聡明で才能あふれる人間が、一見カッコよく高給は得られるけれども、その人には合わない、その人が本当にやりたいことをやるのに何の役にも立たないような仕事に就き、いたずらに時間を過ごしている。
 でも、25年目の同窓会に出席するのは、いいかもしれない。
 幸運が成功を生み、成功は義務を生む。他の人びとの幸運をつくり出すことで、あなた自身が最高の高みへと到着することができる。
 仕事以外の場にいる自分を持っていれば、それが厳しい仕事の世界を生き抜くための支えとなり、パワーを与えてくれる。どんなに仕事を愛しても、仕事はあなたを愛してくれないが、家族はあなたを愛してくれる。家庭と仕事のどちらにおいても物事が効率的にすすむというメリットがある。
 さすがに含蓄のあるメッセージにあふれている。

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