弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年12月28日

作家養成塾

著者:若桜木虔、出版社:ベストセラーズ
 プロの小説家になりたい。私の20年来の願望です。この本を読んで勇気が湧いてきました。
 小説家になるのに、才能は必要ではない。必要なのは、自分は必ず小説家になれると堅く信じて疑わず、いかなる困難・障害・挫折が前途に立ち塞がろうとも、生涯を賭けて、ひたすら書いて書いて書き続ける精神力である。うん、それなら私も持っています。
 強靱な精神力を得るには、読者を楽しませたいという書き手の熱い思いと、たゆまぬ努力があれば、いつかは陽の目を見る作品を書きあげることができるはずだ。そうかー・・・、うん、やってみます。
 この本は、うーん、そうなのかと、うなるような、プロの作家をめざしている人に役立つ具体的なノーハウが盛りこまれています。
 描写しようとする対象の特徴を直截に述べる単語はなるべくつかわず、一見すると関係ないような言葉をつかって、できるだけ遠まわしに読者に伝えるよう心がけなければいけない。ストレートな形容詞のオンパレードはまずい。
 一文中につかう動詞は4つまで。一文中の動詞の数に比例して、かえって動きが鈍くなる。読者が文章内容を把握するのに要する時間が長くなるからだ。一度で読んで、スーッと頭に入るようでなければいけない。伏線の張り逃げは許されない。かかったら必ず対応する結びをもってこないといけない。
 作家への道は遠く険しいものなんですよね・・・。

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