弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年11月 1日

21世紀の特殊部隊・特殊作戦篇

著者:江畑謙介、出版社:並木書房
 日本をふくむ各国の軍隊が特殊部隊をもち、テロなどに備えているのは周知の事実だ。
 1995年6月、ボスニアの上空で警戒飛行していたアメリカのF16にSA6地対空ミサイルが命中し、撃墜された。パイロットのオグレディ大尉の救出作戦が始まった。同じ筋書きのアメリカ映画を以前に見たが、そんな事実があったことを初めて知った。海兵隊を投入して、無事に救出できたが、装備その他が十分でなかったうえに、アメリカ空軍の面子がまるつぶれになったという問題もひきおこした。現実には、救出作戦を誰がいったい担うのか、絶えず縄ばり争いが起こる。
 この事件のあと、救難用通信装置の性能が格段に向上したという。しかし、SOS信号も敵のおとりかもしれないので、救出部隊は恐る恐る近づくしかない。そこで無人偵察機も活躍するようになった。というのも、1人の人間を救出するために、10人の救出部隊と2機のヘリコプターの損失を出すことがあるが、それではいかにも割りがあわないからだ。特殊作戦を成功させるのも綿密な打合せと訓練を要することなのだ。

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