弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年10月 1日

奪還〜引き裂かれた二十四年

著者:蓮池透、出版社:新潮社
 2004年10月10日現在、週間アクションに連載中の漫画ですが、大変読み応えのあるドキュメンタリーになっています。
作者は、北朝鮮の拉致被害者蓮池薫さんのお兄さん。『奪還総集編』として第11話まで掲載した漫画増刊号が販売されています。
 5人については帰還してめでたしめでたしで済ませている感のある報道では隠されている、拉致被害者本人と家族との
気持のすれちがいや日本政府の無責任な政治家の実名つきで指摘されています。報道は編集されてるんですね、未だに。
 ちなみに、漫画アクションは、女子高生コンクリート殺人事件をモチーフにした『17歳』という漫画も並行して連載しており(こちらも原作者は藤井誠二という上記事件を徹底取材したノンフィクションライターです)、とても『クレヨンしんちゃん』をかつて連載していた雑誌とは思われないヘビーな有り様なので(何せキャッチコピーが「タブーを斬れ!」ですから)、今度いつ休刊になるか分からないのですが、やはり漫画のもつインパクトは絶大で、まずは漫画から入ってもらえればと思います。

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