弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年9月 1日

写説・坂の上の雲

著者:谷沢永一、出版社:ビジネス社
 司馬遼太郎の『坂の上の雲』は文春文庫で8冊になる長編小説。この本は日露戦争について写真とあらすじだけで迫ったもの。実は、秋山好古が大将となったとき、その副官として私の母の異母姉の夫(中村次喜蔵、のちに中将)がつかえたことを知って、さらに親近感を覚えたという私的な事情がある。
 秋山好古(よしふる)は、日露戦争のとき、世界最強の騎兵とうたわれていたロシアのコサック騎兵軍団をうち破って高名をはせた。明治20年から5年間フランスに留学して騎兵として学んでいもいる。日本海海戦で東郷平八郎大将の作戦参謀として有名な秋山真之(さねゆき)は好古の実弟。
 秋山好古は陸軍大将で退位したあとは故郷の松山に戻って、私立の中学校(今の高校)の校長をつとめた。福沢諭吉を尊敬し、子どもたちも慶応に入れて普通の市民にしたという。

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