弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年8月 1日

女王ファナ

著者:ホセ・ルイスオライソラ、出版社:角川書店
 15世紀のスペインの女王ファナの一生を描いた映画の原作です。スペインでは190万人が見たといいます。宮廷風景など、映画のシーンの華麗さに私も圧倒されました。
 スペインのカトリック女王イサベルの娘ファナがブルゴーニュ大公フェリペと結婚します。幸せな結婚生活でした。しかし、フェリペの浮気でファナは心を悩まします。「狂気」のはじまりです。フェリペが死に、イサベル女王が死ぬと、ファナはスペインの女王になるのですが、ヨーロッパの政争に巻きこまれ、29歳のとき幽閉され、75歳で亡くなるまでの46年間をそこにとどまります。狂女ファナと呼ばれて・・・。
 本当に狂女だったのか、それは愛する夫を喪ったことによる精神的打撃でしかなかったのではないのか・・。当時のヨーロッパ情勢を深く考えされられる映画であり、本です。

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー