弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2004年6月 1日

枕草子REMIX

著者:酒井順子、出版社:新潮社
 清少納言の『枕草子』は、もちろん大学受験時代に読みました。古文は好きでしたし、得意科目でもありましたので、高校の図書館で古典文学大系を借り、原典で読んだ覚えがあります。でも、この本を読んで、そんなことが書いてあったのかと再認識させられました。他人(ひと)の悪口を言ったり、品定めをしたり、のぞき見を楽しんだり、まるで当今の女子高校生と同じようなことをしていたんじゃないか。著者はそう言うのです。
  ええっー、そんなことあり、かなあと思うのですが、どうも、あり、のようです。
  説教の講師は、顔がいい人に限る。講師の顔をじっと見つめるからこそ、言っていることの尊さも感じられる。説教の講師は、顔よき。講師の顔をつと見守らへたるこそ、その説く言(こと)の尊さも、おぼゆれ。
  昔、カメラのない時代です。和歌は写真みたいなもの。著者はそのように指摘しています。なるほど、そうなのかー・・・。でも、和歌って、そんなにイメージをわかせるものかしらん・・・。うーん、よく分かりません。
  しばし、平安時代の雰囲気に浸ることのできる本でした。受験勉強で出会ったときの清少納言のイメージが、少しばかり変わりました。

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